深刻な害獣被害の現状
農作物の被害をいかにして守るかが大きな課題
近年、農業の現場では野生鳥獣による農作物被害が深刻な問題になっています。
イノシシ、シカによる被害が半数以上を占め、そのほかにもカラスやスズメなどの鳥類、そしてサルなどがいます。
従来の一般的害獣被害対策としては、害獣の侵入を防ぐ侵入防止柵、音や光を放つ追い払い機器、忌避剤の設置などが一般的でしたが、いずれも害獣たちがすぐに慣れてしまい、残念ながら効果的な対策にはなっていませんでした。また銃器や罠を用いて害獣の捕獲・駆除も行っていましたが、狩猟者が減少しているため、年々対応が難しくなってきています。
害獣対策におけるドローンの役割
追払い・害獣防止柵等の点検・生息分布図作成
害獣被害対策として、ドローンを野生鳥獣に接近させて、警戒心を抱かせその場から追い払う方法として「ライト照射による追払い」「液剤噴霧等による追払い」「風圧・威圧による追払い」「音声による追払い」を実施しています。
また、ドローンに搭載したカメラを使い、「害獣防止柵等の点検」や、害獣の監視や生態調査を行い「生息分布図」も作成しています。獣の数や、行動を事前に把握することで行動予測が容易となり、より効果的な対策を立てられるようになりました。最近では赤外線カメラを積んだドローンを飛ばして、夜間に行動するイノシシを観察することにも成功しています。